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この前、人を拾いました
第31章 ④―2 許嫁というご身分
「全く……この前の西園寺財閥の祝賀パーティーで久々に礼二様にお目にかかれたと思ったら、私なんか見向きもしないで変な女を抱えて出ていってしまうし…」
「えへ…それはぁ…」
その時のレイを思い出して一人でニマニマする。
いやぁ…あの時のレイは本当、かっこよかった。
「ニタニタだらしない顔するんじゃないわよ!」
ギクッ…
「だっ、大体許嫁だか何だか知りませんけど、れ、レイは私と今いるんです!あなたに入り込む余地はないわ!」
圧され気味だった私は精一杯反論すると、九条院さんは目にみえるほどの炎をまとい始めた。
「うるさいわ!!というか礼二様はどこよ!!いないじゃない!」
「………そ、そんなの知りません!」
「知らない!?」
いや、私だって、今日ばかりは帰った途端抱き締めてくるレイを見せつけてやろうとかそんなこと思いましたけども……
抱き締めて来ないどころか家にもいないんだなんて…
肝心な時にいないんだから!