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この前、人を拾いました
第32章 ④―3 家出OLと救世主
「あれ?もしかしてみきさん?」
聞き覚えのある声がして、辺りを見回すと、暗がりの中で少し小柄な男性が立っていた。
「えっと…」
よく見えなくて目をこらす。
「若村ですよ、若村!ほら、礼二の後輩の!」
若村……
レイの後輩……
「あぁああ!あのどしゃ降りの時の!」
ようやく思い出して声をあげると、若村さんは私の方に近付いてきた。
「よかった、知り合いの人がいたみたいで。じゃあ私、遅いから帰るね。お姉さん、頑張って!」
そういうと、女子高生はポニーテールを揺らしながら私に再び笑いかけてその場を去っていった。
「あぁ!待って…!あの!お茶ありがとう!」
急いでお礼をいうと、彼女はうんと頷いて、暗がりの中に消えていった。