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この前、人を拾いました
第33章 ④―4 今、私、拾われました
「本当に何にも知らなかったんですね……」
憐れみの目を向ける若村さんに、また再び泣きそうになる。
「っていうか、みきさん、今日どうするんですか?このまま僕んちってのは不味いですよ、やっぱり。」
そう言って、冷蔵庫へ向かう。
そう、
公園で久しぶりに再会した若村さんの家に今私はお邪魔していて…
─────────とりあえずうちに来てください、理由はそれからききますので
家出したことを説明したらそう言ってくれたから…
そんな若村さんの言葉に甘えちゃったわけなんだけど…
「本当に迷惑かけてすみません…」
ぺこりと頭を下げると若村さんは、はぁ…と小さくため息をつく。
「いや、僕はいいんですけどね、ほら、会社で礼二先輩に会った時に、また目をジッと見つめられてみきさんといるのがバレたら、変な誤解をして発狂しそうじゃないですか…」
ふぅっと肩を下ろしたあとに、ただでさえ狂っているのに…と付け加える若村さん。
そんな…
発狂って……と思いながらも、若村さん相手に嫉妬なんかしてくれるだろうかと少し疑問も残る。
っていうか…
「今、会社って……
そういえば九条院さんの執事の瀧山さんもそんなことを言ってたけど…
若村さん、レイの仕事、何だか知ってるんですか…?」