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この前、人を拾いました
第33章 ④―4 今、私、拾われました
「はい、まぁ、最近ですが…」
嬉しそうに頭をかく若村さん。
この人、私のことを散々気の毒だなんだっていってるけど、結局レイのこと尊敬してるよね……
「つまり、レイは……容姿端麗、頭脳明晰……その上、西園寺財閥の御曹司……なおかつ自分で会社を立ち上げた敏腕社長……
ってことですか…?」
「うーーん、なんかこう聞くと礼二先輩とても嫌なやつですね。」
いや、とてもどころじゃない…
すっっっっごく嫌なやつだ。
「そ、そんなのおかしいですよ!!だって、じゃあなんでそんな人が、私に拾ってくれなんて言うんですか!?」
そうだ!
忘れちゃいけない!
私はレイを拾ったんだ…!!
「そんな何でもできて何でも持ってる人がそんなことしますか!?」
少し息をあらげて若村さんに迫る。
「みきさん…」
興奮した私とは裏腹に若村さんはとても静かな声を出した。
「確かに礼二先輩は、すごい肩書きを持っている男です」
でも──
と言葉を続けた若村さんにゴクリと唾をのんだ。