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この前、人を拾いました
第33章 ④―4 今、私、拾われました
「礼二先輩は……”礼二先輩” だということ、お忘れじゃないですか……?」
若村さんの言葉に体の力が抜けていく。
まるで哲学…。
でも何となく言おうとしていることは分かる…。
どんなにすごい肩書きがあっても、レイはやっぱり"レイ"なのだ…
それは変えられない──
「その生態は海の奥深くにいる生物よりも、宇宙にいるかもしれない生物よりも、謎なのです。」
みきさんが一番分かってるでしょ──
と最後に若村さんが加える。
「じゃあ、道にいたのは…」
「だからね、理由があるかも知れないし、ないかもしれない。それが礼二先輩です。」
何なの、このとらえどころのないスライムみたいな男は……っ