この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
この前、人を拾いました
第34章 ④―5 もう一人のイケメン
「あの…本当にいいんですか?」
初めて入る、レイの会社のビルを見ながら、私は若村さんにもう一度確認をした。
「ええ!前よく礼二先輩が使ってた部屋があるんで、そこなら泊まれますよ!」
レイと喧嘩して(ていうか一方的にキレて)家を出たくせにレイの会社に泊まるのは何だか少しおかしな感じがする……
でもお金も何も持たずにただ飛び出した私には選択肢がないし……。
「あら、若村さん、今日はもう帰宅なさったんじゃ…」
豪華なロビーを入ると受付嬢の方が若村さんと私を交互に見る。
「ちょっとまた仕事が出来ちゃいまして…」
頭に手をあてる若村さんに受付嬢はお疲れ様ですと深々と頭を下げると、あっ!と声を挙げた。
「なにか……?」
「そういえば、先ほど社長のお兄様の総一様がいらっしゃりました。」