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この前、人を拾いました
第38章 ④―8.5 「ずっと前から、お嬢様にお仕えしております」
「礼二様は、あの女を、愛しているようね。」
紅茶を飲みながら、静かにそう呟く麗子様。
麗子様という素晴らしい方を望まなくても許嫁としている礼二様が堪らなく憎らしい。
「………きっとすぐに、麗子様の美貌に気付かれますよ。」
気付かないでほしい……
言葉とは裏腹の想い。
心から主人の幸せを願えないなんてこんなの、執事として失格だ。
ああ…でも、どうしようもなく彼女を愛している──
届かない想いを心の中で叫ぶ。
すると、麗子様は固まったまま、動かなくなった。
どうしたのだろうかと様子を伺っていると、ゆっくりと顔をあげ、私を見つめた。
紅茶を飲みながら、静かにそう呟く麗子様。
麗子様という素晴らしい方を望まなくても許嫁としている礼二様が堪らなく憎らしい。
「………きっとすぐに、麗子様の美貌に気付かれますよ。」
気付かないでほしい……
言葉とは裏腹の想い。
心から主人の幸せを願えないなんてこんなの、執事として失格だ。
ああ…でも、どうしようもなく彼女を愛している──
届かない想いを心の中で叫ぶ。
すると、麗子様は固まったまま、動かなくなった。
どうしたのだろうかと様子を伺っていると、ゆっくりと顔をあげ、私を見つめた。