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この前、人を拾いました
第38章 ④―8.5 「ずっと前から、お嬢様にお仕えしております」
有り得ません…と答えようとしたその時、麗子様が私の胸に飛び込んできた。
「誤解だわ…っ…」
「───…っ」
「礼二様が、あの女を抱えて去っていたこの前の西園寺家のパーティーのあと……
お父様に、お前がいつまでも結婚しないからいけないんだ、九条院家のためにも早くってお叱りを受けたのっ……」
「れっ…麗子様?」
知らなかった。
「……ついにこの時が来てしまったって思ったわ。でも、礼二様にも結婚の意思がないことが分かっていたから…
だって、パーティーの時の様子を見ていれば、あのみきって子が礼二様にとって特別な人だってことは一目瞭然だったじゃない…。」
「そ、そんなっ…ではなぜ……」
あんなにも、積極的に礼二様にお近づきになったのか…