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この前、人を拾いました
第38章 ④―8.5 「ずっと前から、お嬢様にお仕えしております」
好き…?
そんな言葉では足りない。
それでも、私は必死で平静を保とうとした。
「もちろん、お慕いもうしあげ」
「違うわ!!!!!!!!!」
また大きな声が部屋に響く。
びっくりして、私は麗子様を見つめた。
「私が聞きたいのはそういうことではないわ」
鼓動が早くて、どうしようもない。
「あなた、瀧山蓮は……っ
私、九条院麗子を女として見ているのか…私はそう聞いているのっ……」
トクントクン…と身体全身の血が音を立てて巡り、身体を熱くする。
男としての自分と
執事としての自分が
1つの身体の中で苦しいほど渦巻く。
「な、何をおっしゃいますか…麗子様。麗子様は礼二様と結婚しようと…そうなさっていたではありませんか……」
問題はそれだけじゃない…
「それに私はただの執事です。そのような感情をお嬢様に持つなど……」