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この前、人を拾いました
第38章 ④―8.5 「ずっと前から、お嬢様にお仕えしております」
思ってもいなかった言葉に胸がいっぱいになる。
私が麗子様を愛していいなんて……。
そして麗子様が私を愛してくださるなんて…
強い目でそう私に訴える麗子様は本気だった。
「麗子様っ……」
ハラハラと涙を流しながら、私は麗子様を再び抱き締めた。
「もう離しません………」
「そうしてちょうだい。」
身体を離して麗子様の顔をのぞくと、心なしか、頬が紅いような気がした。
「ふふ」
その姿がいつもの威勢の良い麗子様と違っていて、つい私が笑うと、麗子様はギロっと私を睨んだ。
「なっ…何笑ってるのよ!」
わがままで
強情で
でもちょっぴり照れ屋の
私の愛しい人……
不本意そうに私の顔をじっと見ながら膨れる麗子様。
「私以外にその顔しないでくださいね。」
「えっ…?んん…」
そう言って私は麗子様の唇に優しくキスをした。
唇を離すと、今度は二人顔を見合ってフフと笑った。