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この前、人を拾いました
第42章 ⑤―2 訪問という名の襲来
「僕は"兄"と言う概念そのものが嫌なんだぁ!!なんで"兄"と呼ばれるものたちはちょっと先に生まれたからってあんなに威張りくさって僕の邪魔するんだ!!!!!!」
「はいはい」
もうこれでもかと不機嫌なレイに、まるで三歳児を相手にするようにして服を着させる。
「だいたい、"兄"は…」
「うん、分かった。分かったけど……うちのお兄ちゃん本当にこわいの…。昔から私のこと──」
「溺愛だな」
とレイが呟く。
はい????
「………溺愛…?違う違う!!!!お兄ちゃんは暴力こそふるわないけど、いっつも私を侍らせて、そりゃあもう奴隷のように…」
苦悩の日々の記憶が甦って、うっ…と言葉がつまった。