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第43章 ⑤―３ 草野祥平 そして 観覧車

「お！れみちゃん！！チョコだ！買おう！」



私はドラッグストアの店先に並ぶチョコを掴もうとするレイの手をすかさず叩いた。



「いたっ！」



「ダメ！！この店はスタンプしてくれないから！」




痛いと言いながら、大袈裟に手をぶるんぶるんと振るレイを見ながら私は言った。




いつものスーパーに行かずちょっとだけ遠くの商店街に出向いているのには理由があるのだ。



不満そうに私を眺めるレイを私は気にも止めず、そこから数件先の八百屋さんへ向かう。





「はい、まいどー！スタンプはいるかい？？」


「もちろんっ！！」



少し食い気味で返事をすると、私はおばさんにカードを渡した。



「はい、じゃあ、一個ね…あら、お嬢ちゃんあと一個で満杯じゃないの。ほら。」



「ほんとですかー！？」




返されたカードをみてニンマリする。


ハワイ旅行まで、あと一個…。





「ちかちゃんは健気だなぁ。ハハハハハハっ！」



「うるさいなぁ」


そういいながら大きな口を開けて笑うレイを横目で見た。


どーせずっと裕福なレイには庶民の気持ちなんか分からないだろーよ！