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この前、人を拾いました
第44章 ⑤―4 倦怠期...?
「別に。なんでもねぇっつってんだろが」



「……お兄ちゃん、私、妹だよ。」




お兄ちゃんは、私の腕を振りほどくこともなく、ただじっと黙っている。



そして、観念したのか、ゆっくりと口を開いた。





「あいつなんか変なんだよ、最近。」




……変??





「…変って…華さんが?」



お兄ちゃんの前に回り込んで、顔を覗きこむ。




「あぁ。なんか、あいつ俺のこと飽きたっぽい」




生まれてこのかた、こんなにも落ち込んでいるお兄ちゃんを見たのは初めてのことだった。



「飽きたって…何を根拠にそんなこと言っているの?」



初めて見るお兄ちゃんの姿に戸惑いながらも、優しく、問う。




「ちょっと前からなんかすごい冷たいんだよ。今までどんなに俺が遅くても華は待っててくれて、ご飯だって絶対一緒に食ってたんだ。なのに、最近は帰っても寝てたり、ご飯があっても『私食べない』とか言って食べてくれねぇし……」



……へぇ…お兄ちゃんて意外と甘えたなのね…。


次々とお兄ちゃんの新しい一面が垣間見え、そのギャップに驚かずにはいられない。




「疲れてるんじゃない…?だって、夜遅くまで夫の帰りをご飯作って待ってるって、すごいことだよ?今までが恵まれ過ぎてたんだよ。」




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