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この前、人を拾いました
第45章 ⑤―5 兄と変人とそしてまた変人
お兄ちゃんがお風呂に入ったのを確認すると、私はリビングに戻ってケータイを取り出した。




「おいっ!僕のことは放置か!構えええ!!」



「うるさい!」




身体を近付け今にも発情しそうなレイを私は軽くいなすと、電話帳検索してダイヤルをした。




ルルルルルル…

ルルルルルル…



頼むっ!出てくれ!



念じたその時。




「はい、もしもし」



受話器から懐かしい声がした。




「あっ、もしもし、あの…夜分にすみません、みきです…」




「みき……?あ、みきって、みきちゃん?!」


「そうです!お久しぶりです、華美さん!」



「やだぁあー本当に久しぶりねぇー!どうしたの?祥平ならあいにく今いなくて……」




華美の声音が少し曇ったように感じた。

うむ。喧嘩をしたってのは本当のようだ。



「あーえっと…その祥平なんですが…」




そして私はお兄ちゃんサイドから聞いた事のあらましをそのまま華さんに話した。



「あぁ……もう本当に祥平って私の話聞いてないのね…」



よく分からないけれど、私の話もろくに聞かないし、そういう人なんだろう。



「ごめんなさいね、迷惑かけちゃって…みきちゃん、今日休みだったんでしょ?」



華美は優しく声で、私を気遣った。



「あ、私は大丈夫です…」



そう答えながら液晶の滲んだテレビを見つめる。

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