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この前、人を拾いました
第46章 ⑤―6 お買い物に行きましょう
「なっっどうしたんだよ!?」
お兄ちゃんの様子が明らかに慌てたのをみて、よしっ!と思った私は渾身の上目遣いでお兄ちゃんを見た。
「おねがい……」
今の私なら女優になれる。
「っ……しかたねぇなぁあ!!」
かかった!!!
こんなお兄ちゃんでも、やはり、心は悪魔ではなかったらしい…
「けど俺金ないから、みき払えよ」
「え……」
……やっぱり、前文撤回。
何はともあれ、お兄ちゃんをカフェに連れてくると言うミッションを達成した私はとりあえずほっとして、お兄ちゃんの後に続いた。
私が入るのを待っていたレイは何故か不機嫌そうにしている。
「レイ?どうかした?」
「他の男に抱き付いた。後で裁き」
耳元で囁かれて目を見開いた。
えっ!?他の男って…実の兄なんだけど!?と思ったが、とりあえずレイのことはほっておいて、私は華美さんとお兄ちゃんの仲直りに集中することにした。