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この前、人を拾いました
第51章 ⑥―1 生きてますよー
「なに?黙りこんじゃって。」
と会社のエレベーターのボタンを押しながら百合子先輩が言った。
「いや、ちょっと疑問はありますけど…確かに誕生日は知っとくべきですね。」
少しはカップルらしいことしてみたいという気持ちだって私にないわけではない。
「まぁ、でもレイくんのことだから、自分の誕生日が近付いたら騒ぎ出しそうだし、まだなのかもね」
エレベーターの文字盤を見上げながら百合子先輩が言った。
「確かに…」
じゃあやっぱり直近のイベントはクリスマス…か。
ケータイで日にちを確認すると、あと三日だということに気付きびっくりした。
そうかぁ、通りで街が異様な盛り上がりなわけだ。
「ていうか、私のことばっかり言ってますけど、百合子先輩はどうなんですか?」
私が少しからかうようにして百合子先輩を肘で軽く小突くと、百合子先輩は何が?と言いながら明らかに動揺した様子で目を泳がせた。
うわっこの反応、彼氏いるっぽい!!!!
「誰ですか!!」