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この前、人を拾いました
第52章 ⑥―2 彼は期待を裏切らない


「はいはい、冗談ですよ。で、今度は礼二先輩の何が知りたいんですか?」



まだ何も言っていないのに、トーン一つ変えずに若村さんが言った。



さすが若村さん、レイと一緒にいられる強者だけある。


「あぁ、、えっと……クリスマス近いので、レイへのプレゼント何にしようかなぁって…。そしたら、そういえばプレゼントあげたことないなぁと思いまして…。それで、急にレイの誕生日っていつだろう…みたいな……」



「ダラダラと長いです。礼二先輩の誕生日がいつか、だけでいいじゃないです。」


と要領を得ない私に鋭く突っ込む若村さん。


「……すみません。」


けっ!
どうせ東大出身から見たら短大出身の私なんかバカだよーだ!と電話しておきながらどうでもいい事を思う私。




「みきさん、あなたは本当にかわいそうで哀れだけど、今回ばかりはタイミング…いや、運がいいですよ。」


「ちょっ…かわいそうで哀れって…」


言い過ぎですよ、と言おうとしたがあながち否定できないなと思い黙り込んでしまった。




「礼二先輩は神ですから。」



「は?」


ついに若村さんもイカれ始めたかと最後の砦を失った気分になる。



「やっぱり礼二先輩は期待を裏切りません。」



本当になにいってんだろう。いや、若村さんがレイを罵倒しながらも尊敬していることは前から何となく分かってたけど、こんなにストレートに崇拝してたっけ…

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