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この前、人を拾いました
第52章 ⑥―2 彼は期待を裏切らない
危険……?
レイが自分の誕生日を嫌う理由が知りたいだけなのに、一体何が危険なのだろうか。
「まぁでも、僕がいれば大丈夫ですかね…」
と若村さんは付け加えた。
「あの……何ですか?その理由を知る方法って…」
少しびくびくしながら私が尋ねる。
すると、若村さんは
「とりあえず、明日、12時にうちの会社に来てください。礼二先輩はいないので、大丈夫です。」
と言った。
「会社ですか……」
「えぇ、分かりますよね場所。」
「分かりますけど…」
一回レイとケンカ(?)したときに無計画に家出をして女子高生に助けられていたところを若村さんに拾ってもらったことがある。
その時に泊まらせてもらったのがレイの会社にある豪華な仮眠室だった。
でも、なんでレイの会社に行かなきゃいけないんだろ?
「じゃあ大丈夫ですね。くれぐれも礼二先輩にはバレないように。まぁ電話ですから記憶を視られることはないと思いますが」
訳が分からない私を置き去りにして、若村さんは話を続ける。
「じゃあ12時に。」
「え…あっ…」
そして私に話す隙を与えずに電話を切ってしまった。