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この前、人を拾いました
第53章 ⑥─3 やっぱり何かあるご様子

食べ終わったお皿を洗い終え、エプロンをたたみながら、ソファーに座るレイを見る。




大きすぎるテレビを見ながら欠伸をしてウトウトとしている。



なんかとっても呑気そうだけど…



ふとカレンダーを見る。



そして、レイの元にスタスタと近付いて、わずかに空いているソファーの隙間に腰を落とした。




『もうすぐクリスマス!!毎年大にぎわいのイルミネーションスポットを一挙公開っ!』




20時になるのと同時にテレビの番組が変わってクリスマスの単語が聞こえると、無意識に身体がビクッと反応してしまった。





「あーーゆちゃぁぁあん」




そんな私に気付かずにレイは眠そうにしながら横から私に抱き付いてきた。





「な、なに?」




なるべく平常心でいようとするが、そんな試み虚しくしょっぱなからかんでしまった。


だが、レイはそんな私を気にも止めず、触れるだけのキスをして私に抱き付いたまま眠ろうとしていた。



どうってことのない、いつもと変わらない時間。



本当に、このレイが誕生日になったらボーっとしたり、怒ったりするだろうか……?


とても不思議に思いながらも、少し試したくなって、私はそのままの姿勢で



「クリスマス近いねぇ~」


などと白々しくレイに言ってみた。



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