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この前、人を拾いました
第53章 ⑥─3 やっぱり何かあるご様子
初めて、レイが本気で怒っているのを感じて、こわいと思った。
あんなに鋭い目でにらんでくるなんて…どうやら若村さんの言っていたことは本当らしい。
そして、その怒りがいつもとは違うただならぬものだと言うことは、今のレイの様子を見れば一目瞭然だった。
一体、何にそんなに怒ってるんだろう…
しばらくしてお風呂から上がったレイ。
ビクビクしていたけれどさっきのようなトゲトゲしい雰囲気はない。
でも、すぐに「疲れた、寝る」とだけ言って、自分の部屋に入ってしまった。
いつもは、私のベッドに入り込んでくるか、レイのベッドに私が拉致されるかで必ず一緒寝ていたのだが、今日はそんなこともなく、久しぶりに別々で寝ることになった。
寂しい…
ベッドで手を広げて天井を見る。
やっぱり、何があったのか、知りたい。
私はそう思いながら、次の日の12時になるのをひたすら待った。