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この前、人を拾いました
第57章 ⑥―7 26th Birthday
私には人の過去は視えない。
でも、
「"今"、レイの周りにいる人たちがみんなレイを愛してるじゃないっ……」
「っ………」
「過去ばかりを視ていて、普通に分かることが分からなくなっちゃダメだよ…」
「……でも……っ」
ポロっと落ちたレイの涙をまた私は拭う。
そして少し癖のかかった髪を軽く触りながら、ジッとその瞳を見つめた。
「……レイ、大丈夫…誰もレイを責めてない。」
みんなに愛されていたレイのお母さんが、命を掛けて守ったレイ。
彼を一体誰が責めるだろうか。
「………責めてるのは、レイ、自分自身だけだよ?」