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この前、人を拾いました
第7章 ①―6 乱入にご注意
突然の展開に戸惑いを隠せない。
いや…私の知らないところでそんな風に言われてたなんて……信じられない…。
「ところで、草野さん、下の名前で呼んでもいい??あ、彼氏とかいたりする?」
その池田さんの問いに周りが少し静かになった。
彼氏……。
ぼぅっとレイの顔が浮かんだ。
いや、違う違う。
あいつは彼氏なんかじゃない。
私が拾ってあげたただの……デリカシーのない変人だ。
「いません。いいですよ。下の名前で。じゃあ私も正人さんって呼びますね。」
「やった!じゃあみきちゃんでいいかな?」
お酒のせいだろうか、正人さん少し顔を赤くしていた。
みきちゃんねぇ……
何度言ってもレイは呼んでくれない私の名前。
「あ、はい。」
私がそういうと「池田だけずるぞ〜!」「そうだぁ!」と周りがはやし立てた。
初めての扱いに慣れずに、私はただただお酒を飲むことによって気を紛らわそうとした。