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この前、人を拾いました
第61章 ⑦―2 全てあなたのせいなんですけど
悔しい…っ……
不公平だ……!!!
「はわぁぁぁぁああ」
眠そうに欠伸をしながら、目をかくレイ。
私、一生レイには敵わないのだろうか…。
「はぁ…」
これからも続くだろう制裁を考えるともう私は並々ならぬストレスを感じずにはいられない。
ソファーの背もたれに寄り掛かって、今にもまぶたを閉じそうなレイ。
まったく…
「もぉ、こんなとこで寝たら風邪引くでしょ?」
「んん~~~~ん~~~」
呻くだけで動きそうにないレイをみて、仕方なく近くにあった膝掛けをレイの身体にかけた。
あーこうやって甘やかすから、この人も調子乗るんだろうな…。
「わぁっ」
目を瞑ったままレイにそのまま引っ張られ、何も言わずにギュッと抱き締められる。
「レイ……?」
起きているのかと思いチラと見上げるが、レイはスー…スー…と気持ち良さそうに眠っていた。
寝るときまで笑ってるよ。
整った顔立ちにまだ濡れている髪の毛がいつもよりクルクルとウェーブしていた。
こんな幸せそうな顔見たらどうでもよくなっちゃうじゃんっ…。
「惚れた弱み」と言うやつだろうか。
気にならなかったテレビの音が、静かになった部屋に大きく響く。
消すか…
私はそっとレイの腕をほどいて、リモコンに手を伸ばした。