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この前、人を拾いました
第61章 ⑦―2 全てあなたのせいなんですけど
それにしても…どうにかしてこいつを黙らせ、言うことを聞かせる手立てはないものだろうか。
テレビを見ながら、笑うのに忙しそうなレイを横目で見る。
百合子先輩にも言った通り、一般の人が嫌がるものをいくつか試してみたりもした。
その手始めがホラー映画。
仕事が早く終わった日にわざわざレンタルショップに赴き『この店で一番こわいホラー映画を教えてください!』とチャラチャラした男の人に聞いた日のことを私は忘れない。
『個人的にこれはやばいっす』と彼が言ったものを借りてきて、どんなレイの顔が見られるのかとルンルンで家に帰り、さぁ見るぞ!と思ったら、まさかの絶賛発情中のレイに襲われ、その日は見れなかった。
次の日も仕事が遅くて見ることができず、ついに延滞金が発生してしまいそうになり、返そうと思ったけど、これでレイの弱点が知れたら…という期待から、私は延滞金を覚悟してDVDを再生した。
だが、それも虚しく終わったのだ。
『泣きすぎだ!!お?なんだ怖いのか!?よしよし、それなら僕の胸に抱きついたまま離れなければいい!ハハハハハハハハ!』
店員が選んだそのホラー映画は、怖いというかグロくて、私は大号泣。
そんな私をみてレイはびびるどころか、喜ぶ始末…
レイの弱点を探るどころか、私はわざわざ延滞金を払って新たに自分の弱点を晒す結果となった。