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この前、人を拾いました
第62章 ⑦―3 おねだりの仕方
びびってる顔もかっこいいー!!
『えー!?翔くんにも弱点があるんだねー!』
ん……"弱点"……?
テレビの中で司会が発したその言葉を私は聞き逃さなかった。
「これだぁ!!!!」
思わず、眠っているレイの膝をペシッと叩いた。
「んっ!?なんだぁっ!?どうしたぁあ?」
その弾みで起きたレイは目を一生懸命開けようとしながら周りをキョロキョロと見回した。
「ねぇ!レイ!明日の休み、デートしよっ!」
テンションが上がった私はレイの首に抱きついて甘えた声を出した。
「でぇと??」
「そう!デート!」
顔を上げてレイを見つめると、相当眠いのかボケっとした顔をしていた。
「ん……でぇと…んん…ZZZZ……」
って、え?!ちょちょちょ、寝ないでよ!
「レイぃ……」
勝手に寝てしまうレイに今までにないほど甘えた声を出す。
それもこれも、この人の弱点を掴むため───
ん…ちょっと私、あざといかも。