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この前、人を拾いました
第64章 ⑦―5 いざっ!遊園地へ!
「ハハハハハハ!!!」
私が人にどんどん弾かれて遠くに行っているというのに全然気付かないレイ。
むかつく……
しばらく一緒に外を出る事がなかったからこの感覚忘れた。
そうだ、レイの容姿ではどこに行っても目立つのだ。
言われてみれば、電車でもすごい視線が集まってたな…。
あんまりレイがきょろきょろしてるから不審がって見てるかと思ってたけど(いや、それももちろんあるだろうが)、あれはレイがかっこいいから見てたのか。
「サインください!」
「やばっ!なにあの人めっちゃかっこいい!」
「え!?なにこの人だかり!なんかの撮影?」
余計な事をあれこれ考えている合間にどんどんと人が増えて来てしまった。
「レイッ!ちょっとレイってば!!」
必死に似非教祖の名を呼ぶけれど、人に埋もれてだんだんと中心から離れていく。
キャーとかワーとかいう悲鳴の中で、ハハハハハハっというレイの笑い声が微かに聞こえて遠退いて行った。
「きゃっ!ちょっとっっ!分かったっ!退くから押さないでよっ!」
あ~れ~私今日何しに来たんだっけ~
虚しくなりながら、群衆から立ち退くと、少し先にベンチが目に入った。