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この前、人を拾いました
第67章 ⑦―8 結局彼の弱点は…
『なんかぁ~突然、まなちゃんがいないっ!って叫び出してぇ~。それで色んな人の顔をジロジロ見だしたんですよ~』
『そうそう。それで小さな男の子の顔見ると、今度は許さないっ!って叫び出してそのままどこかに走っていったんです…』
真っ赤な顔で、にやけを抑える私の傍で、百合子先輩がスマホで動画を見ている。
「で…、ニュースの次は、この新聞…ってうわぁっ…大々的ねぇ…『西園寺財閥次男、お手柄』だってさ」
そりゃ…そうだ…一人で、国際指名手配を倒してしまったんだから…。
あの事件の真相…
どうやら、私は、国家機密の大事なデータの入ったチップを持っていたマフィアの男とアイスを持っていた男の子と同時にぶつかり…うまい具合にチップが胸元についたアイスに埋もれてしまったらしい…。
「………私の胸に興味があるのかと…思ったんですけど…違ったみたいです…」
彼らの関心はあくまでチップであった。
嬉しいような悲しいような…複雑な気持ちである。