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この前、人を拾いました
第67章 ⑦―8 結局彼の弱点は…
確か心配で髪の毛全部抜けそうだったとかも言ってたなぁ。
思わずニマってするけど、しっくり来なくて私は頭を掻いた。
いやいや、嬉しいんだけど…さ…。
「それって、レイに担がれるのを回避するには、“別れるから”って脅せばいいってことですかね…」
「知らないわよ、そんなの」
相変わらず冷たい百合子先輩を見上げて私はポーッと考えた。
でも、別れるだなんて言って、昨日みたいに一々大好きだの愛してるだの切な気な顔で言わせるのは、嬉しいけど…ちょっと…かわいそうだよなぁ…。
「はぁ…弱点が私って…なんか、全然自由利かなくて使えないじゃんっ!」
絶望して頭を抱えていると、部署の入り口の方から「百合子さぁぁんっ」と大きな声がして、皆がそっちを向いた。