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この前、人を拾いました
第67章 ⑦―8 結局彼の弱点は…
誰かと思って見たけど、バカでかいバラの花束が邪魔して顔が見えない。
「ごめんっ…僕が悪かったよっ!! でももうみきちゃんのことは本当に好きじゃない…!僕の心は、百合子ちゃんでいっぱいなんだっ」
みきちゃんって言った?
聞いたことのある声…だけど思い出せない。
首をかしげていると、隣で百合子先輩が、やっ…と小さく呟いて頬に手を当てていた。
何々、どゆこと?
訳の分からぬまま、バラの花束がこちらに向かって歩いてくる。
「この通りだ…君は百合だけど、このバラのように赤く美しく…そして僕を惑わす…」
…………こいつマジか?
言っていること訳が分からないけど。
きっと呆れているだろうと思って百合子先輩をチラッと見たら、百合子先輩はウルウルしながら、その花束男を見ていた。