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この前、人を拾いました
第67章 ⑦―8 結局彼の弱点は…
モジモジした先輩はバラの間から顔を出して私を見た。
「この前ね、正人くんがみきちゃんの話をちょっとしただけで、私モヤモヤしちゃって…」
「えっ…?」
もしかして、百合子先輩の機嫌が悪かったのって…
「それで、みきちゃんは全然悪くないのに、嫉妬して…冷たく当たっちゃったの…」
「なる…ほど…」
「本当にごめんなさい。許してくれる?」
少し俯き加減で尋ねてくる百合子先輩がかわいくて…
「先輩…?返事聞くまでもないですよね?」
「みきちゃん…」
「先輩がいなきゃ…レイの愚痴いう相手いなくて、私、ストレスで死んじゃいますもん」
私と百合子先輩はしばらく顔を見合った。
「そんな理由?」
フッと笑う百合子先輩に、私も笑みを返した。
「……そんな理由ですよ」
百合子先輩と出会って良かった。
そんなことを改めて思った。