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第70章 ⑧ー１ いつも突然過ぎて辛い

３月は春である。


これは、常識のようでいて、実はそうでもない。


そんなことに、私は初めて気が付いた。



「レイ、暑いよ…」



空港を降りた途端に感じたこの熱気。


日本のようにジメっとした嫌な暑さではないと言っても、やっぱり、暑いものは暑い。




「大丈夫だっ！」



何がですか？



「その大丈夫って一体どういった意味なのでしょうか？」




知ってますよ、この質問が意味をなさないことくらい。


だってもうじき、彼を拾ってから１年が経とうとしてるんですから。