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この前、人を拾いました
第71章 ⑧—2 ラクダがいっぱいで土は赤くて…
前方のレイが途端に静かになって少し違和感を覚えた。
うほぉ!だの、ふぁ!だのさっきまで騒いでたのに…
「レイ〜〜!すごいねぇ〜ラクダってこんなに高いんだ〜」
そう私が前にいるレイに聞こえるように話し掛けると、レイはラクダに揺られながらゆっくり私の方を見てきた。
暗いから表情がよく分からないけど、何も言葉を返さないレイに不安が募る。
何よ…シカトすることないじゃない!?!?
それとも、なに?
俺はセレブだからラクダに何か何回も乗った事あるぜ!とかそんな事思って私をバカにしてるの…?
「ねぇっ!ちょっと!? レイっ!? レイってばっ!ってきゃあっ!」
ブーーンと群がるハエたちに悲鳴を上げていると、ラクダが暴れて、私は振り落とされそうになった。
「きゃあああっ…ちょっとっ…いやぁっっ!!」
係りの人は何か言ってるけどっ、分からないっ!
私は日本人なんだから日本語で話してよっ!!!!
何匹いるか分からないハエに涙が出て止まらない。
けど、ハエはそんな私の涙に群がるようにして襲ってくる。
「いやぁああ!!!」
大声を出していたら、急に視界が真っ暗になった。