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この前、人を拾いました
第72章 ⑧ー3 金髪レディーにご注意下さいっ!?
ぜえぜえ言いながら、レイの後について行った。
明日、筋肉痛になることはもう確実だ。
でも、そんなことはどうでもいい。
明日、『痛い痛い痛い!』て叫ぶとしても、生きているなら万々歳だ。
「ゆっかちゃぁあ〜〜んっ!遅いぞぉおお〜〜!」
違う。君が異常に速いのだよ。
「はぁっ…だっ…て…っ」
息が上がってうまく話せない。
あとちょっとで3分の2。
頑張れ自分。
そこまで行けば、もう戻ってもいいってガイドさんも言ってたしっ…!
足下を見ながら、着実に登っている。
絶対に日本に帰ってやる。
それでお兄ちゃんと華さんの子どもを見るんだからっ…!
そしてたくさんたくさん百合子先輩にレイの愚痴を聞いてもらってっ…
「ハハハハハっ!!!」
「ぎゃあああっっ」
もう登りきっていたはずなのに、突然目の前に現れたレイ。
「遅いっ!!!!カタツムリ選手権の大会に間違われるゾっ!!!」
『なにそれ』なんて、そんなレイ初心者みたいな質問はしない。
ここは命が掛かっているんだから無視無視…って…
「ええええっ!?!? ちょっ!!!命綱はっ…!?!?」
何も持たずに私の脇でバランスを取るレイに、腰が抜けそうになった。
「ハハハっ!! 重力なんてものは愚かなものにしか掛からないっ!!!」
「なにそれ」
はっ…
しまったっ…ついレイ初心者の発言をしてしまったっ…