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この前、人を拾いました
第80章 ⑨ー2 もちろん、そんなスムーズにいく訳はなくて



「……それにしても、まぁ…ほんと…なんて言うか…お人形みたいな顔立ちの方ねぇ…」


「もうっ…お母さんいいからっ…」



懐かしい畳が香る居間。

お母さんがレイのことを凝視しながらつぶやく。


さっきから、気まずい雰囲気が流れているのなんて、お構い無しだ。




「…この顔に騙されちゃいけねーよ」


「祥平!そういうこと今言わないの!」




小声で会話する兄夫婦。


あぐらをかき、腕を組んだまま話さないお父さん。


そして何より、同じようにジッと黙って座っているレイが気持ち悪くて仕方がない。



黙っているレイなんて、初めてみたかも。


ていうか、この人黙れるんだ…。




「…えっ…と…」




何か話さなきゃと思って声を出してみたものの、全然話す内容が浮かばない。


しまった……


緊張しすぎて、こういう時どうやって親に話したらいいのか、忘れた…。


さっきググった時なんて出てきたっけ。。


て、いうかさ、こういう時はさ、レイからお父さんに名乗るものなんじゃないの!?!?




目配せのつもりで、隣に座っているレイの方をチラとみた。


ちょっと、レイ、あんたなんか話しなさいよっ……



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