この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
この前、人を拾いました
第80章 ⑨ー2 もちろん、そんなスムーズにいく訳はなくて
ほーらね。
この状況で婚約者の父親に言い返すなんて、レイしか出来ない技だ。
「言っている意味が分からん!!!」
「そっちこそ意味が分からない!!!!」
「っ……大体息止め選手権なんぞしてないし、する訳が無いと言っているだろうが!!!!!」
「そんなのは僕は知らない!!!!!」
「いいから名乗れ!!!!!」
「僕は神だ!!!!!!!!!!!!」
あーあ
だーめだこりゃ。
「まぁ落ち着いて、お父さん…。ほら、苗字が『神』っていうのかも知れませんよ?」
「ばかやろ!!!そんな訳あるか!!!」
はい。そんな訳ありません──…
プンプンしているお父さんをお母さんは、宥める。
同じように、私はレイの事を宥めていた。まぁ、無意味だけど。
「お父さん…突然ごめんね…。
彼の名前は…西園寺れ──…」
「フルネームを言うな、れなちゃん!!!!!!!」
「……え…いや…」
こんな時まで!?!?!?
そう、彼は、「西園寺 礼二」という韻の踏んでいる自分の名前を嫌っている。
だから、フルネームで呼ばれることを、「え、そんなに?」とこちらが引くほど嫌がるのだ。