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第81章 ⑨ー３ 別れは突然に、とは良く言ったもので

言っちゃった────…




心臓がバクバクしている。




美咲ちゃんとにらめっこして笑っていたレイも、私がそう言ったあと、美咲ちゃんのことを見つめながら、真顔になり固まっていた。






「み…みきちゃんっ…」





慌てたはなさんの声と、お兄ちゃんが見ているテレビの音だけが虚しく響く。



何も言い出さない、それどころか、顔すらあげないレイ。





ちょっとっ……なんか言ったらどうなのよっ……





「もうさっ…疲れんだよね…」





ねぇ、なんか言ってってば。





「好きだけど…っ…。夫婦になるってことは好きだけじゃやっていけないと思うし…。」




ねぇ、レイ…。





「こっ…こんなちゃんとしないといけない時に、ちゃんとしてくれない人と結婚する勇気っ…私にはないよ…！」





言葉が止まらない。



でも…私は間違ってないはず…




だって夫婦ってそういう次元じゃないでしょ…？


そう……だよね？




そう自分に言い聞かせていると、レイは、むくっと立ち上がった。



「っ……」


それだけで、トクンと身体の血が巡る。




「ふん……」


「……え？」


「れっ、レイくん？」


なにか言葉を発したが、聞き取れなくて、思わず聞き返していると、黙って美咲ちゃんをはなさんに預けた。