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この前、人を拾いました
第85章 ⑨—7 誰のお蔭で
「わっ…私からも……」
「若村さんっ……」
サッとしゃがみこみ、頭を下げた若村さん。
いつも私の味方をしてくれる彼。
若村さんがいなかったら、絶対にここまで来れなかった…。
そして、さらにその横に座った総一さんに、私は眼を見開いた。
「父の言う通り…礼二には……みきさんが必要です……」
静かで、そして冷静な話し声。
「もし今後…みきさんを……泣かせるようなことがあったら、僕が責任を取ります──…」
「っ…───」
「だから、僕からもお願いします」
頭を下げる総一さんを見ながら、さっき、廊下で総一さんがレイに放った『することをちゃんとしろ……バカが…』という言葉を思い出して、私はハッとした。
総一さんは、大人だ…
私とレイがいつも上手くいくように、影で分からないように計らってくれている……