この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
この前、人を拾いました
第86章 ⑨—8 やっとこさ二人
寝起きだからか、レイの足取りは重い。
ようやく玄関に入ったレイの代わりに、私は扉を閉めた。
ありがとう…とか…言うべきかな……
鍵を閉めながら、そんなことを考えていると、突然後ろから抱き締められた。
「…………レイ…大丈夫……?」
黙ったまま、私の肩に顔を埋める。
これは……
大丈夫じゃなさそうなんだけど……どうしたらいいのでしょうか…
初めて見せるレイのその態度に、戸惑ってしまう。
ふと、レイが顔を上げたところで、私はクルリと反転してレイに向き直った。
「…たえちゃん………」
「ん……?」
名前を間違えられた事に安心している私。
そしてレイは、悲しそうな表情を見せる。