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この前、人を拾いました
第14章 ②―3 挑発には乗ってはいけません
「今日の夜、20時よ!」
勢い余ってそういうと、正人さんは待ってましたとばかりにニタニタとした。
「あれ?いいの?彼氏、家で待ってんじゃないの?」
イラっ…
「いいんです!今日遅いんで!」
そう私がいうと正人さんは、フッと笑った。
な、なにがおかしいんだ!!!!!
ギロっと睨むと正人さんはさらに笑う。
「OK。じゃあ20時に近くの居酒屋で!」
そう言ってまた正人さんは振り返ると、背を向けたまま手を降って去っていった。
ぎゃふんと言わせて、もう部署に来ないようにさせてやる!
そう心を奮わせていると、私の肩にぽんっと百合子先輩が手を置いた。
「みきちゃん…………あなたバカなの………?」
「いいんです、もうしつこくしないでくださいっていうチャンスでもあるので。」
そう言って私は自分のデスクに戻る。
「う……ん、でも気を付けてよ…。池田くん、多分本気よ?それにまたレイくんが助けに来てくれるなんてことないんだから。」
「分かってます、大丈夫です。」
心配そうな百合子先輩に私はそう威勢よく言い放った。