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この前、人を拾いました
第14章 ②―3 挑発には乗ってはいけません
「確かにあまりレイのこと知りませんけど…レイにはいいところたくさんあります!!!!」
むきになって私がそういうと、正人さんはニヤリと笑った。
「へぇ…じゃあ、聞かせてくれよ、今日の夜、近くのお店でさ。まぁ、どうせ顔だけだろうけど」
はぁああああ!?
「ちょっと、池田くん!ふざけすぎ!
それにみきちゃんはレイくんと同棲してるんだから、そんな風に夜に連れ出したりしたらダメよ。」
百合子先輩が私と正人さんの間に入ってそういうと、正人さんは、チッと舌を打つ。
「そんなやつやめて、俺にしとけよ。」
そう呟いて去っていく。
その後ろ姿を見て百合子先輩は、ふぅとため息をついた。
「池田くんも本当に分かりやすい挑発するわねぇ……ただみきちゃんと飲みたいだけじゃない。」
呆れている百合子先輩の声は、イライラしている私の耳には入らない。
「ちょっと!待って!」
気付いたら私は正人さんを追い掛けて引き留めていた。
「なに?」
クルッと振り返ったその生意気な顔にまた怒りがフツフツとわいてくる。