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この前、人を拾いました
第15章 ②―4 根拠のない意気込みでした
「みきちゃんやっぱり飲むねーうん、いいよ!どんどん飲んじゃえ!」
そういいながら正人さんは店員に追加オーダーをした。
「ちょっと……!私、そんな飲みに来たわけじゃないんです…!」
バンッともっていたジョッキを力強く机に叩き付ける.
中に入ってたビールが飛び跳ねて、踊る。
「いや、だから、俺はきくっていってるだろ??
あいつのどこがいいの?って聞いても、黙ったままお酒呑んでるのはみきちゃんだよ?」
っ……うるさいなぁ
正人さんの指摘に言葉が出ずに、私は再びお酒を口にした。
「ほらぁ!」
「黙ってくださいっ!
そんな簡単に説明できないんですよ!」
だって
出会いは?とか聞かれても、道で拾ってって言われましたなんて言えないし…
仕事だって何してるか分かんないし。
私がいないとご飯もつくれないし。
勝手に人の過去をみてくるし。
私の名前なんかまともに呼んでくれたの、数えるほどしかないし。
あれ……?
私、レイの事好きなはずなのに…
正人さんはふーんと言って急に笑うのを止めた。