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この前、人を拾いました
第15章 ②―4 根拠のない意気込みでした
疑っていなかったことをこんなにも真っ向から否定されて、どうしていいのか分からないほど、私の心はかき乱された。




私も正人さんもお互い黙ってお酒を口にする。





その瞬間、



RRRRRRRRR



と正人さんの電話がなった。





「ちょっと失礼。」



そういって席を立つ正人さんを見送る。


一人になった個室で私は悶々とした。






レイは…

私のこと好きっていうけど、それは何でなんだろう。


どうして私と一緒にいてくれるのかな?



ねぇ、
私もっとレイのこと知りたいの。



教えてくれないのは、私に教えたくないから……?





あああ〜〜…


やばい。

なんか泣きそうなんだけど…っ




もう少しで涙が溢れそうなところで、正人さんが血相かかけて帰ってきた。





「みきちゃんごめん!!なんか、うちの部署で大きなミスがあったみたいで!すぐに会社に戻らなくちゃ行けなくなったんだ!!」



これまでにないほどの慌てように私までが慌ててしまった。




「あ、ええ!どうぞ行ってください!私、まだちょっとだけお酒残ってるんで、これ飲んだらすぐに帰ります。」




そういうと、正人さんはとても申し訳なさそうにして財布からいくらか出すと、これで払っといて、といい、すごいスピードでその場から消えていった。





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