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愛されたいから…
第10章 イルマのお泊まり
やたらとキス魔でヤキモチ焼きでだけど俺にはベタ惚れなんだと俺が感じるこの男に俺は俺からキスをして

『俺が身体を触らせるのは、龍平さんだけだよ。』

と言ってやる。そんな俺を抱えて嬉しそうに南郷さんが俺の尻を撫で始めるから俺は

『だから!それは朝ご飯の後!』

と叫んでしまう。南郷さんは

『朝飯の後ならいいのか?』

とニヤニヤして言って来る。どうやら俺は今日1日ベッドから出して貰えないのかもしれない…。ガッツリ彼氏に俺はため息をついて夕べの南郷さんのTシャツをとりあえずは被るように着てから俺は南郷さんに

『俺の服は?』

と聞いてみる。南郷さんは

『汚れてたから洗ってある。夕方には乾くだろ。』

とか言い出した。やっぱり着替える下着すらない俺は今日は南郷さんに1日中、触られてしまう運命になるらしい。そう悟った俺は次からはちゃんと俺の着替えをこの家に持って来ようと決心していた。

そんな事を考えてベッドから出た俺は夕べの南郷さんが買って来たコンビニ弁当を朝ご飯に作り変える。

普通にシャケが入ったのり弁当だったから、鍋に出汁と一緒にご飯を入れて、味付けしたら卵を落として雑炊風に仕上げて行く。

シャケを解して骨や皮を丁寧に取ってから茶碗によそった雑炊の上に振りかける。

俺が作る即席の朝ご飯に南郷さんが

『上手いもんだな…。』

と感心してくれる。そんな小さな事が俺は嬉しかったけど、朝ご飯を食べてその後を俺が片付け終わったら南郷さんは俺を自分のそばから離さない。

ずっとキスをしてずっと俺を抱きしめる南郷さんに俺はジタバタするだけになってしまうけど、それでもこんな俺でも初めて誰かにこんなに愛されているんだと感じる時間を南郷さんが与えてくれるから俺は南郷さんの腕の中から逃げる事は出来ずに南郷さんにはやりたい放題の俺だった。

もっと、南郷さんに愛されたい…

そんな気持ちをまだ南郷さんには上手く伝える事が出来ずに自分の中で抱えたままの俺は、南郷さんのそばで1日を過ごすだけという初めての南郷さんの家でのお泊まりデートに満足していた。
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