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愛されたいから…
第1章 イルマの出会い

人が持つコンプレックスというものは、幾つになっても簡単に消えたりするものじゃない。
特に子供の頃から、自分の中で抱き続けて来たコンプレックスというものは大人へとなるに連れて段々と酷くなる一方だ。
だから俺の人生はそんなコンプレックスの塊のなのだと言っても過言ではない。
自分の最終学歴は美大卒…、今の俺の職業ならば、それはそれなりに問題はない学歴のはずが、その職業ですら、未だに俺のコンプレックスを何かと増やし続けてくれている。
何故、こんなにコンプレックスの塊に自分がなってしまったのか?そんな事をぼんやりと考えてしまう馬鹿な自分にまたしてもコンプレックスを感じてしまう。
『先生…!?』
そう、その先生と呼ばれる事にも俺にはコンプレックスにしかならないんだ。大体、なんで先生なんだ?普通に名前で呼んでくれれば俺はもう少し気が楽になれたかもしれないのに…。
『先生…!?だから、聞いてますか?』
と俺の目の前で少し語気を荒げてそう聞いて来る男…。カーゴパンツにデニムシャツを着た何処にでも居そうなごく普通の男だが、彼の話をぼんやりとしか聞いていない俺に責めたような口調で言って来た。
正直、今のコンプレックスだけになっている俺は人と話をする気分ですらないのが本音だ。いや、だけど今はこれが俺の仕事なのだから仕方ないと諦めるように
『聞いてます。でも、俺にはそれは無理です。』
と彼にいじけるように答えるしか出来なかった。今は次の仕事の打ち合わせ中。
ここはとある出版社のとある編集部。
如月 イルマ、24歳、独身、職業、漫画家…。この段階では俺を羨ましいと言って来る奴が割と居るが、それすら俺には充分コンプレックスなんだ。
まず、美大を出て漫画家という道を進んだ経緯にしても俺からすれば大した事じゃない。
俺の親は両方が元々既に有名漫画家で何本もの作品を世に広め、その作品はアニメや映画にまでなっているというような親に育てられて来た俺には物心が付いた時から絵を描き、トーンを貼り、ベタを塗るとか子供の遊びから始めたとはいえ当たり前に身に付いてしまった技術だ。
特に子供の頃から、自分の中で抱き続けて来たコンプレックスというものは大人へとなるに連れて段々と酷くなる一方だ。
だから俺の人生はそんなコンプレックスの塊のなのだと言っても過言ではない。
自分の最終学歴は美大卒…、今の俺の職業ならば、それはそれなりに問題はない学歴のはずが、その職業ですら、未だに俺のコンプレックスを何かと増やし続けてくれている。
何故、こんなにコンプレックスの塊に自分がなってしまったのか?そんな事をぼんやりと考えてしまう馬鹿な自分にまたしてもコンプレックスを感じてしまう。
『先生…!?』
そう、その先生と呼ばれる事にも俺にはコンプレックスにしかならないんだ。大体、なんで先生なんだ?普通に名前で呼んでくれれば俺はもう少し気が楽になれたかもしれないのに…。
『先生…!?だから、聞いてますか?』
と俺の目の前で少し語気を荒げてそう聞いて来る男…。カーゴパンツにデニムシャツを着た何処にでも居そうなごく普通の男だが、彼の話をぼんやりとしか聞いていない俺に責めたような口調で言って来た。
正直、今のコンプレックスだけになっている俺は人と話をする気分ですらないのが本音だ。いや、だけど今はこれが俺の仕事なのだから仕方ないと諦めるように
『聞いてます。でも、俺にはそれは無理です。』
と彼にいじけるように答えるしか出来なかった。今は次の仕事の打ち合わせ中。
ここはとある出版社のとある編集部。
如月 イルマ、24歳、独身、職業、漫画家…。この段階では俺を羨ましいと言って来る奴が割と居るが、それすら俺には充分コンプレックスなんだ。
まず、美大を出て漫画家という道を進んだ経緯にしても俺からすれば大した事じゃない。
俺の親は両方が元々既に有名漫画家で何本もの作品を世に広め、その作品はアニメや映画にまでなっているというような親に育てられて来た俺には物心が付いた時から絵を描き、トーンを貼り、ベタを塗るとか子供の遊びから始めたとはいえ当たり前に身に付いてしまった技術だ。

