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愛されたいから…
第2章 イルマの思い
大体…、原稿を描く為にその顔を見ないとダメなのは俺の方で、俺が南郷さんにそんな顔を見せても意味がねぇじゃんか…

そんな自分の馬鹿っぷりにほとほと呆れてしまう。

俺は一体南郷さんにどんな顔をしたんだ?

寝室に行き、鏡の前で俺はさっきの南郷さんとの状況を思い返してさっきの感覚をもう一度確認してみる。

俺のすぐ目の前に南郷さんが立っていて、俺の顔に南郷さんの手がそっと触れてから俺の顔を女の子を扱うように優しく持ち上げていた。だから俺の目の前には俺が憧れているカッコいい男の顔があってそれをモロに見た俺は南郷さんにキスしたいという衝動に駆られていた…

そんな事を思い返しても俺はやはりさっきみたいな顔にはなってくれなかった。だけど、しばらくぼんやりとしてから

『もう一度、やってくれないかな?』

と俺は独り言で言ってしまう。そしてそう言ってから一気に自分の顔が熱くなる感覚がわかって来る。

やばい…、俺は何を南郷さんに求めてんだよ…

俺はそう思いながらも鏡に写った自分の顔は目を見開いて何かを期待したような顔をしていた。そしてその顔にはかなりの羞恥心と罪悪感が入混ざり、耳まで真っ赤になっている。

人が欲情する顔って、こんな感じなのかよ…

自分の口元を手で押さえながら、止まらない動悸にクラクラとした目眩がして来ていた。頭の中をひたすらグルグルと南郷さんにこんないやらしい顔を俺は見せてしまったんだという自己嫌悪の気持ちばかりが回り続けていた。

その後の俺はどうにか2日というたっぷりの時間をかけて欲情した顔って奴はクリアをしていた。

後の問題のシーンは…、女子高生のパンチラと乳首のポロリのシーンかよ…。パソコンのネット情報でAVの画像を探してもいいのだけれど、如何にもって映像からは俺が描きたい作画のイメージが湧かない気がして来てしまう。

ここは、やはり、アイツに頼むしかねぇじゃん。

と俺はある奴に久しぶりに電話をかけていた。電話の向こうからは

『はいはーい♡イッちゃん、久しぶりー、またアシスタントの仕事?』

と軽いノリでやたら元気に答える女の声がした。だから俺はそいつに

『アシもだけど、リッちゃんにさ、かなり複雑な頼みがあんだよ。だから今日か明日にでもうちに来てくれないか?』

と真面目に言ってみていた。
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