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愛されたいから…
第6章 大地の思い

綺麗に手入れされた広い中庭をしばらく歩くと小さな休憩所があり、そこのベンチに座って俺は南郷さんに電話する。
まだこういうのに慣れていない俺は自分の携帯から聞こえて来るコール音だけでも緊張してしまう。だから
『はい。』
と普通に電話に出た南郷さんに俺はもう胸が高まってドキドキとしていた。この時はもう緊張したドキドキじゃなくて俺は南郷さんのこの声に嬉しくてはしゃいだドキドキになっていた。
『如月です。今いいですか?』
『大丈夫だよ。旅行は楽しんでるか?』
『いい取材が出来ました。明日、東京に帰るんですけど、南郷さんのお土産があるから、都合が良ければどこかで会えますか?』
『○○駅に着いたら電話くれないか?うちはその近くだからな。』
出版社と俺の家との間の駅の名前を俺に南郷さんが言って来る。だから俺は南郷さんに明日には会えるんだとか考えてそれだけで幸せな気分に浸ってしまう。
今夜の俺は初めて南郷さんと落ち着いて話せている自分にも満足していた。だから、本当はもっと色々と話しをしたかったけど、また迂闊な俺が変な事を言ってしまうと今のこの幸せな気持ちが壊れそうだから
『必ず連絡します。』
そう言って俺は電話を切っていた。それからしばらくは南郷さんの声を独り占めしたくて俺はその場所から動けないままだった。
明日、彼に会える…
そんな小さな約束に全身が満たされる気分になってしまう俺は完全に南郷さんに恋をしている乙女のような男だった。
まだ南郷さんに自分が愛されているとか、そんな事を考える余裕のない俺はただ彼に嫌われたくないとか彼に少しでも会いたいとか、また彼のあの手に触れられたいとかそんな子供っぽい恋しか考える事が出来ない俺だった。
彼への思いで火照った俺の頬に当たる夜風に少し冷まされてから俺は気持ちに余韻を残したまま大地が待つ部屋へと戻っていた。
まだこういうのに慣れていない俺は自分の携帯から聞こえて来るコール音だけでも緊張してしまう。だから
『はい。』
と普通に電話に出た南郷さんに俺はもう胸が高まってドキドキとしていた。この時はもう緊張したドキドキじゃなくて俺は南郷さんのこの声に嬉しくてはしゃいだドキドキになっていた。
『如月です。今いいですか?』
『大丈夫だよ。旅行は楽しんでるか?』
『いい取材が出来ました。明日、東京に帰るんですけど、南郷さんのお土産があるから、都合が良ければどこかで会えますか?』
『○○駅に着いたら電話くれないか?うちはその近くだからな。』
出版社と俺の家との間の駅の名前を俺に南郷さんが言って来る。だから俺は南郷さんに明日には会えるんだとか考えてそれだけで幸せな気分に浸ってしまう。
今夜の俺は初めて南郷さんと落ち着いて話せている自分にも満足していた。だから、本当はもっと色々と話しをしたかったけど、また迂闊な俺が変な事を言ってしまうと今のこの幸せな気持ちが壊れそうだから
『必ず連絡します。』
そう言って俺は電話を切っていた。それからしばらくは南郷さんの声を独り占めしたくて俺はその場所から動けないままだった。
明日、彼に会える…
そんな小さな約束に全身が満たされる気分になってしまう俺は完全に南郷さんに恋をしている乙女のような男だった。
まだ南郷さんに自分が愛されているとか、そんな事を考える余裕のない俺はただ彼に嫌われたくないとか彼に少しでも会いたいとか、また彼のあの手に触れられたいとかそんな子供っぽい恋しか考える事が出来ない俺だった。
彼への思いで火照った俺の頬に当たる夜風に少し冷まされてから俺は気持ちに余韻を残したまま大地が待つ部屋へと戻っていた。

