この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛されたいから…
第8章 イルマの実家
つまり、連載として本に載せるのは俺が何回か分の原稿が描けてからにして欲しいって事だ。
万が一、俺が行き詰まって描けない時が発生したとしても余分に仕上がっている原稿があれば俺が〆切にバタバタと追われたり落としたりする心配がないって事になるからだ。
俺の頼みに対して坂口さんは不安そうに
『でも…、出来るだけ早くお願いしますよ。』
と言って来る。描くスピードには定評がある俺だから
『努力はします。でも、今回の作品はゆっくり描いてグダグダにはなりたくないんです。』
と言っていた。南郷さんの家で昔描いた猫と月を見てから俺がずっと考えていた事だ。焦って描いてグダグダになるのは俺には向いていないやり方だ。
俺は多分じっくりと丁寧に描き進める方が絶対に失敗が少ないと感じていた。坂口さんは
『マイペースが先生の持ち味なら、多少はこちらも融通しますよ。』
と笑って俺の意見に譲歩してくれていた。やっぱり俺は甘やかされているとしか言えないが、それでも漫画家は結果を出せれば問題がない職業だというのがうちの親父の自論だ。だから俺は
『いつもすみません…、感謝します。』
と素直に坂口さんに頭を下げていた。そうやってベータの編集部の打ち合わせを終わらせてベータの編集部を出てから俺はとりあえず深呼吸をしていた。
次に俺が向かうのはガンマの編集部だからだった。今から南郷さんに会えるのは嬉しいのだけれど…、俺が泣いて、子供みたいに駄々こねて…、一応、南郷さんとは気持ちがお互いに伝わったけれど…、大地の不機嫌で南郷さんが気を使って帰ったという事実にはちょっと俺には気分が重くなる。
仕事だ…、あくまでも仕事なんだ…
そう自分に言い聞かせてエレベーターでガンマの編集部がある階へと俺は移動する。移動してエレベーターから降りた俺の耳にはいきなり
『今月くらい、まともに原稿を奪って来い!モタモタしている編集なんか先生方に迷惑なだけだ!』
と俺の好きな声だけど、かなり機嫌が悪い怒鳴り声が聞こえて来た。
万が一、俺が行き詰まって描けない時が発生したとしても余分に仕上がっている原稿があれば俺が〆切にバタバタと追われたり落としたりする心配がないって事になるからだ。
俺の頼みに対して坂口さんは不安そうに
『でも…、出来るだけ早くお願いしますよ。』
と言って来る。描くスピードには定評がある俺だから
『努力はします。でも、今回の作品はゆっくり描いてグダグダにはなりたくないんです。』
と言っていた。南郷さんの家で昔描いた猫と月を見てから俺がずっと考えていた事だ。焦って描いてグダグダになるのは俺には向いていないやり方だ。
俺は多分じっくりと丁寧に描き進める方が絶対に失敗が少ないと感じていた。坂口さんは
『マイペースが先生の持ち味なら、多少はこちらも融通しますよ。』
と笑って俺の意見に譲歩してくれていた。やっぱり俺は甘やかされているとしか言えないが、それでも漫画家は結果を出せれば問題がない職業だというのがうちの親父の自論だ。だから俺は
『いつもすみません…、感謝します。』
と素直に坂口さんに頭を下げていた。そうやってベータの編集部の打ち合わせを終わらせてベータの編集部を出てから俺はとりあえず深呼吸をしていた。
次に俺が向かうのはガンマの編集部だからだった。今から南郷さんに会えるのは嬉しいのだけれど…、俺が泣いて、子供みたいに駄々こねて…、一応、南郷さんとは気持ちがお互いに伝わったけれど…、大地の不機嫌で南郷さんが気を使って帰ったという事実にはちょっと俺には気分が重くなる。
仕事だ…、あくまでも仕事なんだ…
そう自分に言い聞かせてエレベーターでガンマの編集部がある階へと俺は移動する。移動してエレベーターから降りた俺の耳にはいきなり
『今月くらい、まともに原稿を奪って来い!モタモタしている編集なんか先生方に迷惑なだけだ!』
と俺の好きな声だけど、かなり機嫌が悪い怒鳴り声が聞こえて来た。