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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第7章 蓮と陸の心境
この手の感性は、千弥が一番綺麗に仕上げると俺は思っている。空間や料理を見た後の食器の選び方色使いは、俺ですら納得出来るもの。だから俺は、千弥に一緒に仕事をしないかと言った。型にハマった仕事より、千弥には自由のほうが似合う、しがらみなく仕事をしてくれれば……俺はそんな思いだったんだが、千弥のほうはは難色。更にそれを狙って、同居を提案したのではないかと疑われる始末。……そんな意図は全く無かったのに……。
(一晩泊まりで陸はどうしただろう?)
俺が千弥を抱いたと知り、複雑そうにしていた陸。居なければ絶好のチャンスとなり得る……そこに不満も文句も無い。千弥が好きで欲しいのはどちらも同じこと。
(言ってはいるけど、陸があの千弥を見てなにを思うのか……)
性的なことになれば豹変する千弥。俺も疑問に思ったのだから、陸はもっと疑問に思う、俺はそう考えている。そして千弥からはなんの説明も無く、事実は闇の中というのも疑問に拍車をかける結果になってしまった。
(豹変と病院、そこに結び付くのは?)
千弥が話してくれない限り、明確な答えは出ない。そう理解はしていても、俺なりには考えてしまう。
2つを結ぶキーはどこにある? あの千弥の豹変がキーなのか?
(……離れているほうが考えてしまうね)
自分のほうは簡単な作業だっただけに、思考だけが勝手に進む。まぁ、藤崎に言われた、これも関係しているだろう。
今日の予定が終わり、帰宅する頃にはすっかりと日も暮れ、ロスグルメだったがために戦利品も無く、地方のお土産だけを持ち帰路に着くことになる。