この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第7章 蓮と陸の心境
「いや、彼女だけでは無いんだよ。彼女ともう一人……俺と同じく彼女が好きな男性と一緒に住んでいる」
「…………は!?」
言っていなかっただろうか? 千弥と暮らしてるとは言った記憶はあるが、陸も一緒とは話した記憶が無い。まぁ、驚かれて当然とも思う。
「男二人に女一人!?
そりゃ凄いことになっているようで……」
「凄いね……。俺的にはあまり思っていない、彼女が好きなのだから、一緒に暮らすのが当たり前のような感覚だよ」
「普通はありえない、彼女が出来たら独り占めしたいもの」
「そうとも言うけど……彼女自身がどちらかを選ばない限り、今のままが良い。意外に楽しいよ、みんなと暮らすのは」
「変わってるな尾上さん」
「そうなのかな?」
やはり大人数で育ったせいか、千弥はともかく、俺的には陸が居るのも心地良い。平凡な日常かも知れない、それでも誰かが一緒に居るのは安心出来るもの。
あのマンションで一人だった俺、帰宅しても出迎えてくれることの無い冷たい部屋、それが堪らなく嫌だった。だからこそ千弥と陸に共同生活を提案、今は上手くやっていると思う。……俺の気分も温かくなった、そう思っている。
「口を動かすのは良いけど、そっちの進行が遅れているよ藤崎さん。物撮りは待ってくれないからね」
「そうだった。こっちはキーマカレーだけどスープに合うかな?」
「見た目の問題であればクリアーしているね、キーマの黄にスープの赤、色彩的にはある組み合わせ」