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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第10章 光の当たる場所-千弥
「トータル的にバランスが取れれば良いのだけどね、今からでも試してみるかい、千弥らしさを見つけること」
「私らしさ?」
「そう。どの千弥も千弥なのだから、バラバラではなく個々の千弥の千弥らしさを見つけるのが、一番千弥らしくなると俺は考えるね。
後、そろそろ敬語対応は……ね、俺が傷つくかな? 陸には敬語ではないのだから」
「……あ……」
敬語はつい……。
でもバラバラではなく1つ。
怯える私、淫乱な私、今の私、元々の私は私自身がムリだけど、この3つの私の私らしさを1つにする。そうすれば私は変われるの?
「怯える千弥も、ベッドで乱れる千弥も、こうして僕たちと話している千弥も同じ千弥なんだからさ、今の千弥に乱れる千弥が混じっても僕は良いかなぁ。
やっぱり千弥が好きだからイチャイチャしたいし、怯えていたら抱き締めてあげたい。溜め込まずに吐き出してさ楽になったほうが良いよ」
「……うん……」
二人の言葉が心に染みる。
ダメと抑え込まなくても良い、どの私でも良いなんて……二人とも優し過ぎるよ。私が二人に依存したくなってしまうでしょう。
「すぐにはムリだと思うけど、努力はしてみるから」
「それで良いよ千弥」
「あまり部屋に引っ込まないでね千弥」
「それは陸さんだと思う、いつもゲームばかりだもん」
「うっ……。す、少しは控えるよ」
こうして私が話したことで、また蓮さんと陸さんとの関係が変わったとは思う。それに部屋に籠らず、リビングで話をすることも増えてゆく。